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Silver Wings / STARLESS
火薬バカ一代 ★★ (2007-12-08 01:07:00)
元SCHEHERAZADEの大久保寿太郎(B)が中心となって大阪にて結成された、女性Voを擁する
5人組プログレシッブ・ハードロック・バンドが、NOVELAの平山照継のバックアップを受け、'85年に発表した1stアルバム。
天野喜孝の幻想的なジャケット・アートワークが秀逸な本作だが、内容の方も負けじとファンタジック&ドラマティック。
Keyが楽曲の基盤を作り、そこにメロディアスなGやVoが乗っかるサウンド・スタイルは、やはりNOVELAを想起させるが、
あちらよりグッとプログレ色は控えめで、楽曲も5分前後とコンパクトにまとめられている。
例えば、アコギに導かれてスタートする⑧なんかは、実にストレートに疾走するハードロック・チューンだし、ぶっきらぼうな
歌い回しを披露する、Voの歌声と声質がアイドル歌手っぽいせいか、歌詞が日本語詞なのと併せて、歌謡曲テイストも濃厚。
洋楽志向のメタラー諸氏には受け入れ難い要素かもしれないが、個人的には、長大で複雑極まる楽曲を作るよりも、
持てる技巧を駆使して、キャッチーでメロディアスな楽曲を徹底的に磨き上げる彼らの方法論を、大いに支持する所存。
特に、流麗なサビメロと立体的なボーカル・ハーモニーにゾクゾクさせられるドラマティックな②や、
アメリカン・プログレ・ハード的なノリを持った、キャッチー且つスリリングな④、そしてメタリックなエッジと叙情性、
激しさと美しさを兼ね備えた、本編のハイライト・チューンたる⑥は、リード楽器の役割も果たす華麗なKey、
派手さはないが練り込まれたリフとメロディを積み重ねていくG、ダイナミックなリズムをガッチリと支えるB&Dsといった、
各メンバーの確かな技巧と、ハイクオリティな楽曲の魅力が完璧に噛み合った、STARLESSというバンドの凄みを
判り易く伝える名曲に仕上がっているんじゃないかな、と。最近、高音質のリマスター盤が再発されたので、聴くなら今です。

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