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Point of No Return / 中間英明
火薬バカ一代 ★★ (2008-03-24 21:39:00)
HURRY SCUARY、ANTHEM等での活動で知られる、ルックス、テクニック、センス(作曲能力)の三拍子揃った、
天が二物も三物も与えた天才ギタリスト・中間英明が、'89年に発表したソロ・アルバム。
イングヴェイ・マルムスティーンからの強い影響を基本に、マイケル・シェンカーばりの濃厚な「泣き」と、
ウルリッヒ・ロートを思わせる、粘りの効いたGの音色を併せ持った様式美HMサウンドのカッコ良さはガッツポーズ物で、
そのクオリティはHURRY SCUARY時代を大きく上回り、更に言うなら、歌入り曲よりもインスト曲の方が遥かに
クオリティが高いのだから、まさに中間英明というギタリストの真価が、120%発揮された内容に仕上がっていると言える。
スピーディな様式美HMナンバー①、クラシカルな③、繊細なエレアコの妙技が堪能できる④、美旋律とエモーショナルな
泣き具合にハートを鷲掴みにされる⑤、雄大なスケール感を漂わせる⑦、生オケをフィーチュアした⑧を序曲に、
起承転結がバッチリと決まったドラマティックな曲展開でラストを締め括る⑨・・・と、中間の雄弁に「歌う」Gが
Voの役割を果たすお陰で、インスト物が苦手なリスナーでも問題なく楽しむ事が出来るし、また、名キーボーディスト
小川文明の、スリルと叙情性を増幅するKeyのナイス・アシストっぷりもキラリと光る。
特に、GとKeyがガップリと四つに組んだ①③⑨は、間違いなく本編のハイライトかと。
長らく廃盤状態が続き、中古盤市場では5桁の値が付けられる幻の名盤だったが、最近漸く再発されたので、この機会に未聴の方は是非。

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