この曲を聴け! 

Hughes/Thrall / HUGHES / THRALL
火薬バカ一代 ★★ (2009-08-16 00:05:00)
歌神グレン・ヒューズがギタリストのパット・スロールとタッグを組んで、HUGHES/THRALL名義で
'82年に発表した唯一のアルバムにして、現在でもグレンのライブで必ず演奏される名曲を
数多く収録した、彼を語る上で欠かす事の出来ない重要作品の一つ。
自分がこの作品を購入したのはかなり遅く、'94年に行われたグレンのソロ公演で聴いた名バラード“COAST TO COAST"の
余りの素晴しさに感動した事がその切っ掛けだったのだが、当初の予想ではグレンとパットの組み合わせという事で、
かなり通好みの渋い作風を想像していたのだけれど、実際に聴いてみると、そうした渋みや、如何にもグレン的な
ファンキーな要素を端々に漂わせつつも、全体としては、これが時に産業ロック的なキャッチネスも感じさせる、
非常に洗練されたハードポップ・サウンドが詰め込まれていて良い意味で驚かされた。しかもそれを、グレンが持ち前の
黒いソウルフルな歌唱を駆使して歌い上げるのだから、本作がどんだけ個性的なサウンドに仕上がっているかは想像が付くというもの。
特に、心浮き立つ爽快感に溢れたHRナンバー①、パットの魅力的なGプレイが映える叙情的でキャッチーな②、
ダイナミックな曲展開とフックの効いたメロディが上手く組み合わされた⑨といった楽曲は本編の白眉。
勿論、前述した名バラード⑧もやはり素晴しい名曲だ。(実はTRAPEZE時代の楽曲だったと、この時初めて知りました)
グレン・ヒューズ好きはもとより、「彼の作品は興味の範疇外」というメロディ愛好派リスナーにもお薦めしたい1枚。

→同意