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A Time & A Place for Everything / HELLOISE
火薬バカ一代 ★★ (2008-02-22 21:18:00)
『COSMOGONY』と『POLARITY』という、2枚の名盤を残して解散した、オランダはロッテルダム出身の5人組正統派HMバンドが、
バック・カタログのCD化を記念して行ったコンサートの、予想以上の好評に自信を持ち、オリジナル・メンバーでの
再結成を決意。解散から実に12年ぶりとなる'98年にリリースした3rdアルバムがこれ。
叙情的なイントロに期待が高まり、PRAYING MANTISばりの哀メロが炸裂する名曲①に代表されるように、そのサウンド・スタイルは
忠実に解散以前の作風を継承していて、明る過ぎず暗過ぎない、独特の透明感を湛えたメロディ・センスも健在。
ルックスはともかく(笑)、メンバーの技量にも衰えはなく、劇的なメロディを紡ぎ出すツインG、そしてスタン・フェルブラークの
ロビン・マッコーリーを彷彿とさせるメロウな歌声は、相変わらず心地良いったらありゃしない。
楽曲的には、前述の①を始め、アコギを効果的に用いて切なく駆け抜けていく③、憂いを帯びたメロディが魅力の④、
アコギ1本をバックに歌う、スタンの絶品の歌唱力が堪能できるバラード⑤といった名曲/佳曲が並ぶ、本編前半の
クオリティが際立っていて、強力なキメ曲に欠ける後半は、印象的にはやや弱い。張り切り過ぎてボーナス・トラックを含め14曲も
収録しちゃった事も、ダレを感じさせる一因かな、と。勿論、並みのバンドに比べりゃ遥かにハイクオリティなのは言うまでもないが。
とは言え、ファンの期待に見事に応えた入魂の1枚であることに違いはない。1stや2ndが気に入った人はマスト・バイ。
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