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Suicide by My Side / SINERGY
29 ★★ (2002-01-28 01:10:00)
現在のSINERGYは1stの頃とはかなり別のバンドになってきている。
当初は、IN FLAMESのイエスパー・ストロムブラードとCHILDREN OF BODOMのアレキシ・ライホのツインGで正統派のHMバンドを組んで、そこにTHERIONのバックVoをやってた無名(に近い)女性Voが参加したという触れ込みだった。しかもBはシャーリー・ダンジェロ…。ある意味キンバリー以外はスーパーな面子(地域限定ですが…)が組んだプロジェクト的なバンドだった。そこからまずイエスパーが抜け、他のメンバーも入れ替わり、今ではキンバリーとアレキシのラブラブバンド(笑)と化しているが、その音楽性の根本的なところは変化していない。
変わったところはどこかといえば、キンバリーのVoである。1stでは今をときめくメロデスバンドのスーパーG2人の作るメロディ・楽曲の素晴らしさに助けられ(というより曲があまりに素晴らしくて)彼女のVoは特に気に入ったわけではなかった。イエスパー・アレキシがデス声でないVoのいるバンドでプレイする、という点のみに魅力を感じていた。がこの3rdでは、確かにアレキシのGプレイも素晴らしいが、主役は完全にキンバリーのVoである。よくパワフルな女性Voを指して“男顔負けの"という表現がよく使われるが、男女の性別なんて引き合いに出すのがアホらしいくらい、ここでの彼女の歌唱は素晴らしい。個人的に彼女の歌い方は、活舌がよくなく発声的に濁って聴こえるため、好きなタイプでは無かった。が、低音から高音までパワフルに良く伸びる声で非常に起伏に富んだメロディを見事に歌いこなしている。この彼女の歌唱力の向上が、SINERGYというバンドの格を一段上に引き上げた。
その他の部分でも、アレキシとローペによるツインリードは、イエスパー在籍時と比較しても遜色ない魅力的なフレーズを奏で、元TAROTのマルコ・ヒエタラの太いBも非常に心地よい。個人的にはR・J・ディオ風の見事な歌唱力を持つマルコにVoパートを振り分けてくれればさらに素晴らしいレパートリーが増えたのではないか、とも思うが…。
余計な装飾の無い、正攻法の正統派の1枚。

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