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Sad Wings of Destiny / JUDAS PRIEST
殺戮の聖典 ★★ (2006-05-07 22:41:00)
初期の名盤との呼び声も高い'76年発表の2nd(邦題は「運命の翼」)。
脱退したジョン・ヒンチの後任ドラマーはアラン・ムーア。
エンジニアには後に「PAINKILLER」サウンドを作り上げることとなるクリス・タンガリーディスを迎えている。
デビュー・アルバムと比較するとバンドの演奏力や表現力が格段にレベル・アップしており、それに伴って楽曲もよりドラマティックとなって完成度が増した。
BLACK SABBATHの「WAR PIGS」を彷彿し、現在でもライヴにおけるハイライトとなっているドラマティック大曲「VICTIM OF CHANGES」、キラー・リフがギラリと光る初期の名曲「THE RIPPER」を始め、ロブのハイ・トーンの真髄を聴くことが出来る超名バラード「DREAMER DECEIVER」、ツイン・リードによるギターのメロディが素晴らしい「TYRANT」は聴き応え十分。
その他にも、前曲の余韻を引き摺って軽快に突き進む「DECEIVER」、厳かなインスト曲「PRELUDE」、ヘヴィなリフを主導に複雑な曲展開を見せる「GENOCIDE」、ピアノをバックにロブが切々と歌い上げる美しいバラード「EPITAPH」、ロブが低音に重きを置いた迫力ある歌唱を聴かせる「ISLAND OF DOMINATION」と、この時代にしかできなかったであろう好曲が目白押し。
現代ヘヴィネス・サウンドを好む向きにはオススメしないが、ブリティッシュな薫りが強く漂う様式美サウンドが実に素晴らしい。
アルバム・ジャケットも神秘的で非常にかっこいい。
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