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Pierrot and Crime / Diall
火薬バカ一代 ★★ (2025-01-08 23:07:09)
北の大地からデビューを飾った5人組、DIALLが'94年に自主制作で発表した1stフル・アルバム。
数年前に店頭でCDを手に取るまでこのバンドについては何も知らず、どこぞのファッション・デザイナーみたいなバンド名とメンバーの派手めなルックスが相俟って、てっきりビジュアル系バンドかと思いきや、一時期はSABER TIGERの看板シンガー下山武徳や、竹内聡、元GRUDGE CURSEの叫らも在籍していたという話もあって(出どころは購入店舗のPOP記載情報)、本作に託された重心低く押し出してくるパワフルなHMサウンドに、線の細さや頼りなさは全く感じられません。
北海道のレジェンドEZO――FLATBACKERの方ではなく――を何となく彷彿させたりもするヘヴィ・チューンあり、ボーカル・ハーモニーを生かしたメロディアスHRナンバーあり、王道バラードあり…といった具合に、収録曲は良く言えばバラエティに富み、悪く言えば「これ」という決め手に欠く仕上がり。オーソドックスに歌い上げるスタイルのVoがバックの演奏に埋もれがちなのも本作のインパクトを弱めてしまっている印象が無きにしも非ず(下手というわけではない。普通に上手いです)。非常に感想を書きづらいタイプの作品ではあるものの、インディーズ・バンドとしては異例の7桁万円もの大金を投じて拘りのレコーディングを行っただけあってプロダクションは充実していますし、例えばアルバム表題曲⑧みたいな、このバンドならではの個性が宿った楽曲のカッコ良さにはグッとくるものがありますよ。
下山や叫在籍時代の音源があれば、そっちも是非聴いてみたいなぁと思わせてくれる1枚でありました。
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