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No Bones About It / SKULL
火薬バカ一代 ★★★ (2024-12-05 01:20:52)
アリス・クーパーからマイケル・ボルトンまで多彩なアーティストとの共演で知られ、'20年に心疾患により死去したボブ・キューリック。SKULLは彼がデニス・セント・ジェイムズ(Vo)やボビー・ロック(Ds)らと共に結成したバンドであり、エディ・クレイマーとミッキー・デイヴィスをプロデューサーに起用してレコーディング、’91年に発表した本作はSKULL唯一のスタジオ・アルバムとなります。(正確にはお蔵入りした2ndアルバムも有?)
そもそもバンド名がこれで、ジャケットを飾るのも、禿頭に口髭を蓄えたボブをセンターに据えたバイカー・チームみたいなメンバー。加えて自らのサウンドを「SKULL CRUSHING HARD ROCK」と称していると耳にした日にゃ、どんだけワイルドなパワー・メタルを演っているのかと戦々恐々でしたが、実際に本作から流れてくるのは巧みにフックを盛り込んだメロディアスHRサウンド。エネルギッシュな疾走ナンバー②、キャッチーに弾む⑥、ヒット・ポテンシャルを感じさせるハードポップ・チューン⑦、売れ線(誉め言葉)パワー・バラード⑨、タイトルに相応しくエピカルな雰囲気も漂わす⑩等々、バラエティに富み、デニスのハスキーな歌声とボブの派手さと堅実さを併せ持ったベテランらしいGプレイを軸に丁寧に組み上げられた収録楽曲からは、ガサツさや大味感など微塵も感じられません。特にバラード調に始まり愁いを帯びて劇的に盛り上がっていく⑤は本編屈指の名曲ですよ。
そんなわけで、実際に本作を手に取り音を聴いた多くの人同様、「内容が素晴らしいだけに、そもそもバンド名とジャケットをどうにかすべきだったんじゃね?」と思わざるを得なかった1枚であります。
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