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Through Worlds of Stardust / STEELHEART
火薬バカ一代 ★★ (2024-10-17 01:02:00)
名曲“SHE’S GONE”で知られるマイク・マティアヴィッチ改めミレンコ・マティアヴィッチ(Vo)率いるSTEELHEARTが、前作『GOOD 2B ALIVE』から約10年のブランクを経て’17年にFRONTIERS RECORDSより発表した復活作。通算5作目。
ほぼソロ・プロジェクト状態でレコーディングされたようですが、ぶっちゃけミレンコがいればSTEELHEARTは成立するという認識なのでその点は無問題。それより問題なのはアルバムの立ち上がりの悪さで、1~4曲目まで大味なヘヴィ・チューンが連続する構成には「期待してたのと違うなー」とテンションだだ下がりでしたよ。ただ思い返してみると、泣きの名バラードに釣られて購入したデビュー作も実際は哀愁薄めのアメリカンHRサウンドで「期待してたのと違うなー」と思った記憶があるので、今に始まったことじゃないのか。
そもそも本作が駄作かと言えば決してそんなことはなく、5曲目以降はメロディの叙情性/楽曲のフックの強度共に急上昇。適度なモダンさを飲み込んだそれらは80年代型メタル・スタイルではないものの、愁いと熱を帯びてエモーショナルに盛り上がる⑤、ストリングスをフィーチュアしたドラマティックな⑨、ピアノ主導の静謐なバラード⑩等、前半戦とは打って変わってこちらの耳をガシッと捉える逸曲が連打されます。かつてのような耳をつんざくハイトーンは封印する一方、中音域をメインにパワーと情感を増したミレンコのVoも全くブランクを感じさせない凄みを放っていますよ。
曲順で損しているように思えてならないので、自分なりの曲順を考えて楽しむとより評価が高まる1枚ではないでしょうか。

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