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The Missing Peace / L.A. GUNS
火薬バカ一代 ★★★ (2024-10-14 22:49:33)
共に成功の美酒を味わっても、一旦人間関係が拗れるとその修復が簡単にいかないことはセバスチャン・バックとSKID ROWを例に出すまでもなくよくある話ですが、一方でかつては「もう仲直りなんて無理なんじゃね?」ぐらい派手に舌戦を繰り広げてたのに、恩讐を乗り越えてトレイシー・ガンズ(G)とフィル・ルイス(Vo)が合流、現在に至るまで順調に作品リリースを重ねるL.A. GUNSのようなバンドもいるわけで。
'18年にFRONTIERS RECORDSから発表された本作はL.A. GUNSが'18年に発表した…もう何枚目のアルバムなのかはよう分かりません。ただ両雄のパートナーシップ復活を祝うに相応しいだけの強力な内容を誇っていることは間違いないところ。トレイシーが刻むGには老成とは無縁の力強さが宿り、看板シンガーたるフィルのVoも円熟味を増しつつ独特のクセの強さも健在。妖しく重厚に押し寄せる④、枯れた哀愁漂わすパワー・バラード⑤、ヘヴィ・メタリックなGリフをフィーチュアして突き進む⑧⑩、Keyを隠し味にドラマティックに盛り上がっていく⑪、悲壮感に満ちたバラード⑫…と、「L.A. GUNS=能天気なロックンロール・サウンド」という先入観にうっちゃりをかます、明るさよりも哀愁成分の方が勝る収録楽曲の数々にもグッと来ますよ。中でもJUDAS PRIEST風のGリフにDEEP PURPLE調の歌メロが乗っかった疾走ナンバー②と、フィルのVoとトレイシーのGから激情が迸りまくる⑨はアルバムのハイライト的名曲じゃないでしょうか。
「今がL.A. GUNSの全盛期」って意見に、冗談でもなく同意したくなる説得力を有した1枚ですね。
→同意