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Joe / ジョー山中
火薬バカ一代 ★★★ (2024-08-20 00:14:37)
波乱万丈の生涯を送り、'11年に鬼籍に入られたジョー山中。出演も兼ねて歌った映画『人間の証明』のテーマ曲を大ヒットさせたシンガーでもある彼が、FLOWER TRAVELLIN’ BAND解散後、’74年にATLANTIC RECORDSから発表した最初のソロ・アルバムが本作となります。
ジョー山中というと、ボブ・マーリーばりのドレッドヘアと、80年代以降のレゲエ・ミュージックへの傾倒の印象が強いのですが、本作に託されているのはFLOWER TRAVELLIN’ BANDの流れを汲むソリッドなHRサウンドであり、レゲエのエッセンスはほぼゼロ。それもその筈、バックを固めるのは、石間秀樹(G)、和田ジョージ(Ds)、篠原信彦(Key)というFLOWER TRAVELLIN’ BAND時代のバンドメイト達。あくまで「歌」を主役として立てつつ要所を引き締める楽器陣の達者な援護射撃を受けて、山中も持ち前の情熱的かつパワフルなハイトーンVoを伸び伸びと披露してくれています。
ブラスをフィーチュアしてファンキーにぶちカマされる①、ストリングスと哀愁を纏った②③、山中のエモーショナルな歌声が絶品のバラード④、一転してベタベタな歌謡ロック・チューンながら聴き慣れるとクセになる⑤…といった具合に、頭から順番に語れるぐらい優れた楽曲が並ぶ本作ですが、何といってもハイライトは⑥。熱を帯びて絞り出される山中の熱唱と石間入魂のGソロにグイグイ涙腺を刺激されまくる名曲ですよ。
個人的にはFLOWER TRAVELLIN’ BANDの諸作よりも聴き返す機会の多い1枚。これほどの名盤が長年ほったらかしで'17年にようやく初CD化なんて遅過ぎますって。
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