この曲を聴け!
IV: Sacrament / WYTCH HAZEL
kamiko! ★★★ (2023-11-22 18:42:59)
英国産ヴィンテージロック2023年作
II: Sojourn(2018年)にハマって、ナンバリングⅢはあまりに酷似した音楽性のためあまり聴かなかったが
完成度は非常に高いバンド。今にして思えばⅢも最初の敷居をクリアすればハマってたんだろうなとは思う。
3年ぶりの本作は、大きく音楽性に変化はなく、オーソドックスで抜群の安定感を誇るサウンドを聴かせてくれる。
とはいえ唯一無二の音で、初っ端から線の細い重厚なギターが登場し、一発でWytch Hazelの音世界に魅了される。
こういうレトロロック路線はドゥーム路線ほど多くは漁っていないが、ボクにとっては5本の指に入るバンドではある。
他レトロバンドとの違いは、レトロ感を感じさせながらも録音は決してローファイ録音ではなく完璧であるということ。
全ての楽器が最適な残響音でクリアに聴こえてくる。ドラムのエフェクトが若干気にはなるが全くもって許容範囲内。
ロックサウンドの鍵盤楽器はチープになりがちなバンドが多い中、このバンドの鍵盤担当はメロトロンの使い手だけあって
音へのコダワリは感じることはできる。ただ、もっと鍵盤を前面に出すサウンドにすればいいのに、と感じるところもある。
海外レビューは結構多く書かれているようで、後半の楽曲の弱さを指摘する記事は散見されたが、こういうサウンドは
BGMとしてライトに楽しめればボクとしては問題ないので、後半の楽曲云々は全く気にならないね。
今年は濃いドゥーム路線が微妙だが、このバンドやTanithの新作などがリリースされてレトロロック路線は充実してる気がする。
近年はこのテのレトロ路線がジワジワと増殖しつつあって、このバンドあたりが牽引していくんだろうと思わせるものの
Wytch Hazelは既に成熟した感があって、このままの路線だと飽きられそう、という危機感を感じるところも僅かにあるかな。
→同意