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Dark Parade / CIRITH UNGOL
失恋船長 ★★★ (2023-11-05 10:55:35)
2020年に復活のフルアルバムをリリースした伝説のバンド。アメリカ産でありながらも叙情的なメロディとエピカルな世界観を紡ぐ高尚なる精神性が高く評価され熱狂的なマニアを生んだバンド。まぁ日本では、雑誌の低評価など、逆にマイナスが付加価値を付け、俺はこんなマイナーなバンドを知っているみたいな、変な人たちが賞賛する傾向があり、ちょっとヤバいのですが、そういう妙なマニア気質とは一切関わりと持たないのが信条のワタクシとしては、外野の偏見に左右されず音そのもので評価して欲しいバンドですね。
世界中から伊達にカルトメタル番長と持ち上げられた分けではありません。

オープニングナンバーから勢いのある楽曲の登場に面を喰らっていたら、その勢いは最後まで衰えることなく、このバンドのもつドラマ性を十分に発揮してラストまで完走。2023年の時代を生きる古典メタルの矜恃、その枯渇しないアイデアと失われることのないアイデンティティ、サウンドミックスも分離が良く各パートの持ち味を生かしている。
ヴィンテージ臭漂うリフワーク。エコーの掛かったドラムは這いずるように叩き出され、この魑魅魍魎がうごめくバンドサウンドを決めている。実に古くさい音を今風に作り上げた。
NIGHT DEMONのベースであり、このバンドのベースでもある、復活後のプロデューサーを務めるジャービス・レザービーのバンド愛に対する建設的な姿勢も評価されるべきでしょうね。

このバンドの欠点はチープさにあった、その嘘くささが愛されポイントではあったが一段上に行くには、こうあるべきと言うスタイルにビルドアップ。前作を凌ぐ内容となっていますね。4枚目のアルバムを順当に引き継ぎ、自らのアイデンティティ研磨した揺るぎなき精神性。過去をなぞるだけのノスタルジックバンドではない現役感。アルバムを通して聴くことに価値があるドラマ性を大切にした楽曲と曲順、全8曲で44分というランニングタイムも聴きやすさを誘発しており、この独自性の高い世界観に没頭できるだろう。
濃密に絡み合うツインギターも前作以上にメリハリを付け粘土の高いプレイも飛び出し魅了。これぞ現代のCIRITH UNGOLだろう。

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