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Dark Parade / CIRITH UNGOL
kamiko! ★★★ (2023-11-02 21:09:46)
米産カルトメタル2023年作
MetalBlade作品は、全体的な作品クオリティを大きく底上げする録音である反面、素材に様々な加工を加え本来持っていた無骨さに潜む魅力を
削いでしまいがち、というところを常々感じるので、あまり好んでゲットしない。
また、米国産というのは、必要以上に過激さを上乗せしたり、いかにも商業的に成功しそうな完成度に加工されている感から
個々の作品だけを見ればハイクオリティと感じても、似たようなハイクオリティバンドが横並びで乱立している感が否めない上
本来バンド自身が志向しているサウンドなんだろうか・・と思うこともしばしば。こういうサウンドは意外に早めに飽きがくる。
このバンドも前作からMetalBlade録音になった米国産ということで、危機感を持ちつつも、突出した個性とコンポジション能力の高さから
追い続けている。初期作品の衝撃的ポンコツサウンドが話題になりがちだが、他にはない無骨な金切声ヴォーカルスタイルと楽曲の素晴らしさが
ウリなのであって、恐らく今の時代に敢えてこの盤をチョイスする年配メタラーは、そこに魅力を感じているハズだ。
無骨なシケシケギターの魅力は、残念ながらMetalBlade録音による最適化で、その面影を若干残しつつ、消滅しかけてはいる。
個性的なヴォーカルは、これまたMetalBlade録音により最適な残響エフェクトが施され全体的な音楽に馴染むように加工されているね。
そういう大衆向けに敷居を下げるレーベル側の努力が散見されるものの、このヴォーカルの個性はアクが強すぎて、毒気は消えることなく残っているね。
前作Forever Black(2020年)は、元来持っていた毒気やバタバタ感とMetalBlade録音が融合した完成度の高さで一押しではあるものの
一方で過去作品から維持してきた楽曲の素晴らしさという点では、若干一本調子な印象を持ったのも確かだ。本作ではそこが解消されている
というのがボクの一聴した感想である。ミドルテンポのドゥーミーなキザミで聴かせる箇所がボクのツボに入る、というのもあるだろうが。
大剣を抱きつつ片膝をつくバリウム飲み過ぎのような肌の白い戦士が描かれるジャケも、エピックファンタジーを感じさせてグッドだ。
→同意