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破戒凱旋録(DESTRUCTION) / 樋口宗孝
火薬バカ一代 ★★★ (2022-12-22 06:38:10)
LOUDNESSのドラマー、故樋口宗孝が'82年に発表した1stソロ・アルバム。
まず邦題が良いんですよ。『破戒凱旋録』。非常に中二マインドをくすぐられます。この時期のLOUDNESS関連の作品は他にも『撃剣霊化』とか『魔界章典』とか『ジャガーの牙』とか、声に出して読みたくなる日本語タイトルばかりで最高でしたね。
本作の存在を初めて知った当時(LOUDNESSについてもよく知らなかった)は、ソロ・アルバムってのは「バンドの花形であるシンガーかギタリストしか作らない」というかなり誤った先入観があったもんで、縁の下の力持ち的存在の筈のドラマーが、山本恭司、CHAR、北島健二、中島優貴、鳴瀬喜弘、山田信夫、松澤浩明といった錚々たる面子をゲストに迎え、リーダーシップを発揮してソロ作を作り上げていたことにかなりの衝撃を受けましたよ。
過剰な自己主張は抑制しつつも、パワフルなドラミングで楽曲をリードする樋口が、(ソロ・アルバム制作にあたってお手本にしたであろう)コージー・パウエル同様に楽曲優先の姿勢を貫いた結果、スピーディに炸裂する①、スリリングな②、山本が関与しているせいか初期BOW WOW風味漂う③、哀愁を帯びてキャッチーな⑥…と、強力な楽曲が揃った本編はLOUDNESSのオリジナル・アルバムと比較しても何ら遜色のないハイクオリティっぷりを提示。とりわけ山田の熱唱が胸を打つドラマティックな慟哭の名バラード⑤と、樋口、CHAR、北島、中島、鳴瀬ら楽器陣が白熱したバトルを繰り広げるアルバム表題曲⑩は、アルバムの静/動サイドそれぞれの魅力を代表する名曲となっています。
樋口宗孝が不世出のドラマーであったことを証明する、ジャパメタ史に残る名盤。
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