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Talking 'Bout Love / FAHRENHEIT
失恋船長 ★★★ (2022-09-08 19:13:22)
初めて聴いた時は驚きましたね。一般的な認知度は低いのにクオリティはメチャクチャ高い、バンド名から推察できるAOR志向のハードサウンド、その予想を裏切らないフック満載のメロディとハードテイストの絶妙な絡み、とにかく一発で魅了されましたね。
アルバム全体を通して無駄がないアレンジと選曲、そして胸を突く哀愁のメロディ、ハードなモノを愛するモノにとっては軽めのミックスというのは命取りに成りかねない位、評価に直結するのですが、そういうマイナスな要素すら味方につけ、ロックテイストとシャレオツ感の合間をスリルタップリに綱渡りで聴き手を魅了していくのです。
オーストリアという事もあるのか、世界的な流通はどうなっていたのか分かりませんが、1989年にリリースされた今作の質はワールドワイドに通用するクオリティを有しており、2007年に再発するまでメロディ派のごく一部にしか届いていないという結果になったのは、メロディ派のマニアにとっては悲劇以外の何者でもないでしょう。
無国籍という言葉がシックリハマる、その質の高い音楽性と世界観。繊細な歌声と高い声に女性的な魅力すら感じるシンガーの唄い回し、ロックに噛みつく様もノリノリで歌い上げるのですが、その嫌みの無い歌声と、物足りなさを補完する邪魔をしないギター、しっかりと機能していますね。
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