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Electrified Brain / MUNICIPAL WASTE
火薬バカ一代 ★★★ (2022-08-15 23:40:05)
NWOTM第一波としてシーンに登場し、現在に至るもその先頭を走り続けるMUNICIPAL WASTEが’22年に発表した7thアルバム。
かつて多くのクロスオーバー系スラッシャーが、アルバム・リリースを重ねるうちに音楽的成熟と引き換えにサウンドのエキサイトメントを低下させていったのに対し(アルバム7枚といえば『KILL ‘EM ALL』でデビューしたバンドが『RELOAD』をリリースするような長い期間なわけですが)、本作を一聴しての感想は「何も変わってねえ」と。ハイピッチでアジり倒すVo、熟練の刃物職人の如き手捌きで刻まれるGリフ、せかせかと切迫感を煽りまくるリズム隊等々、ここで披露されているのはメタルの切れ味とハードコア/パンクの爆発力を推進剤に、洗練や深化といったキーワードに後ろ足で砂かけながら爆走するような速戦即決のクロスオーバー・スラッシュ・サウンド。ジタバタと終始落ち着きなく突っ走る作風は、ベテランの風格とか重厚な佇まいとは無縁。いつまで経っても(良い意味で)小僧感を失わない彼らには「スラッシュ・メタル界の勝俣州和」の称号を進呈したくなりましたよ。
勿論進化に興味は示さずとも成長の痕跡はしっかり刻まれており、キャッチーなギャング・コーラス、メリハリを効かせた曲展開のダイナミズム、ツインGのヘヴィ・メタリックなハモリを随所に散りばめて、押せ押せの本編の中にもフックを作り出す抜かりない手腕にはベテランの業前がキラリ。個人的には特にメタル色が色濃い仕上がりの⑥⑭辺りが一押し。
MUNICIPAL WASTEには是非ともこのまま突っ走り続けて欲しい、と願わずにはいられない1枚です。

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