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Concrete Killers / SHOK PARIS
火薬バカ一代 ★★★ (2022-03-16 22:04:07)
ヘタウマなメンバーの似顔絵がB級感を醸し出すジャケットだけ見ると「本当にメジャー作品?」と首を捻りたくなりますが、前作で目出度くメジャー・レーベルとの契約をゲットしたSHOK PARISが'89年に発表し、日本デビュー作となった(そして残念ながら最終作ともなった)3rdアルバム。
二井原実とグラハム・ボネットを足して、ロニー・J・ディオで割ったような特濃な声質の持ち主であるシンガーは今回もパワフルに歌いまくっていますが、劇的なメロディを歌えばその魅力を十二分に引き立ててくれるこの声、逆にフック不足だと暑苦しい声質が聴き手の疲労感を倍増させる諸刃の剣でもあり、特に曲調はスピーディながら、アメリカン・ドリームを高らかに歌い上げる歌詞とメロディ・ラインは結構大味で捉えどころがないOPナンバー①などは、そうした彼氏の弱点がもろに露呈してしまっています。
そんなわけで立ち上がり早々猛烈な不安感に襲われる本作でしたが、2曲目以降は泣きのGが映えるヘヴィ・バラード③から、ドスの効いたカッコ良さに「こっちをOPナンバーにすれば良かったのに」と思わされる⑪に至るまで、熱血VoとツインGを存分に活かした、アメリカのバンドらしからぬ硬派な正統派HMサウンドを追及。メジャー・リリースと言えども一切日和ることのない姿勢が頼もしいったらありゃしません。勇壮かつ劇的な②はSHOK PARIS屈指の名曲の一つではないでしょうか。
以前はメジャー流通ということで一番入手が容易だったのですが、1stと2ndが再発された現在では、逆に最も手に入れにくいアルバムになってしまったことが惜しまれる1枚です。
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