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Tomorrow Never Comes / TOUCH
火薬バカ一代 ★★ (2021-08-17 00:00:31)
DRIVE, SHE SAIDやAMERICAN TEARSでは定期的に新作を発表してきていたマーク・マンゴールド(Vo、Key)が、満を持してTOUCHを復活させ、およそ40年ぶりに発表した2ndアルバムがこちら。(正確に言うなら、ロジャー・グローヴァーをプロデューサーに迎えてレコーディングするもお蔵入りしてしまった2ndアルバムが別にあるのだけれども)
実際のところ、マーク一人でTOUCHを再始動させてもファンは誰も文句を言わなかったと思うのですが、復活にあたってダグ・ハワード(Vo、B)、クレイグ・ブルックス(Vo、G)、グレン・キスカート(Ds)というオリジナル・メンバーを再結集している辺りからも、本作に賭けるマークの意気込みがビンビンに伝わってくるというもの。
音楽性に関しても、リード楽器として切り込んでくるKey、衰えを感じさせぬダグ・ハワードの伸びやかな歌声、キャッチーな哀愁のメロディと、メンバー全員が歌える強みを生かした分厚いボーカル・ハーモニーに彩られたHRサウンドは、きっちり1st路線を踏襲。劇的なイントロからして名曲の風格漂うOPナンバー①、美しいコーラスが壮麗に舞う②、スペーシーな雰囲気を湛えた7分越えの大作ナンバー③というアルバム冒頭3曲を聴いた時点で、本作の完成度の高さを確信するには十分でしたよ。その一方で、モダンな味付けが施された④のような新味を感じさせる楽曲も魅力的に仕上げる手腕は流石の一言に尽きます。
ややマッタリとしてしまう後半戦を引き締めるためには、“BLACK STAR”系のハード・ナンバーが1、2曲欲しかったと個人的には思わなくもないのですが、まぁその辺は次回作以降に期待ということで。これ1枚で終わらないことを念願致します。
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