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Welcome to Hell / VENOM
火薬バカ一代 ★★★ (2021-07-22 01:11:14)
クロノス、マンタス、アバドンの暗黒トリオにより’81年にNEAT RECORDSから発表されるや、良くも悪くも世間に衝撃を与えたVENOMのデビュー作。世界初のスラッシュ・メタル・アルバムであり、後のデス/ブラック/エクストリーム・メタルの直接的なご先祖様でもあるエポック・メイキングな1枚・・・なんてのは今更言うまでもないことですかね。
ダビングを重ねたカセットテープみたいな劣悪な音質、悪魔と黒魔術(あと下ネタ)を題材に取ったインモラルな歌詞世界をメロディがん無視で吐き捨てるダミ声Vo、ダーティでノイジーなG、ドッタンバッタン暴れ回るDsといった下手糞…もとい破れかぶれな演奏等々、良識派の眉を顰めさせる最悪の要素を結集させたら、なぜか最高の作品が出来上がってしまった本作は、VENOMの「1+1+1は3じゃないぞ。俺達は1+1+1で300だ。10倍だぞ10倍」という小島聡ばりのシャウトが轟いてきそうな仕上がり。
それでいて単なるインパクト勝負の出オチ作品に終わっていないのはメンバーの確かな曲作りの才があったればこそ。厳めしくもキャッチーなアルバム表題曲②、MOTORHEAD風味色濃い③、VENOMが紛れもなくNWOBHMの一員であることを物語るGリフ主導で突っ走る⑥等、本編は聴き込みに耐え得る秀曲を多数収録。とりわけアバドンのド天然なドラムに乗ってドカスカ突進する⑤は名曲も名曲で、クロノスの「WITCHING HOUR!」の絶叫と共にGソロが走り始める場面のカッコ良さは何度聴いてもゾクゾクさせられますよ。
個人的にはクロノス時代のVENOMといえば、次作『BLACK METAL』よりも本作を推す次第。国内盤がSHM-CD(!)でリイシューされていますので、見かけたら是非。
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