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Chez Kane / CHEZ KANE
火薬バカ一代 ★★★ (2021-05-27 01:02:46)
プロデュースから作曲、演奏まで、CRAZY LIXXの中心メンバーであるダニー・レクソンの全面バックアップを受けてデビューを飾ったイギリス出身の女性シンガー、シェイ・ケインのデビュー作。’21年発表。
ロビン・ベック、リー・アーロンといった80年代に活躍した女性HRシンガーの現代版を世に送り出したい…とのダニーのコンセプトに則り、アルバムに託されているのは、サックスをフィーチュアした快活な①、ライブ会場の盛り上りが目に浮かぶアンセミックな②といった居並ぶ楽曲が物語る通り、嘗てのBON JOVIやDEF LEPPARDを彷彿とさせる王道アリーナ・ロック路線。レザーファッションに指抜きグローブ、キツめのアイメイク等、気合の入った80年代ファッションで全身を包んだシェイ嬢も、気持ち良く伸びていくハイトーンを駆使したフレッシュな歌声でサウンドを瑞々しく彩ってくれています。
個人的にはジム・スタインマンと組んでいた頃のボニー・タイラーを思い出したりもするこの作風はドンピシャでして、特に高揚感に満ちたキャッチーなサビメロが絶品の③、歯切れ良く弾むKeyリフにこっちの気持ちも弾む⑤、初期BON JOVIに通じるフックの効いた哀メロにグッとくる⑦を初めて聴いた時は、「確か大映ドラマの主題歌だったよね?」「麻倉未稀が日本語でカヴァーしてなかった?」と、ありもしない記憶が脳裏を駆け巡ったぐらいですよ。パンチの効いた疾走ナンバー⑧のカッコ良さもなかなかのもの。
シェイ嬢のシンガーとしての資質と、プロジェクトの方向性が幸福な一致をみた充実作。是非ともこの座組でアルバム・リリースを重ねて欲しいと念願する次第です。
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