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Northen Light / NORTHEN LIGHT
火薬バカ一代 ★★★ (2021-04-20 00:11:52)
MADISONの隠れた名曲“NORTHEN LIGHTS”を思い出すプロジェクト名だけである程度期待値が高まってしまうメロディック・ロック・プロジェクトの唯一作。'08年発表。
中心人物はノルウェー出身のギタリストでトール・タッレなる人物。まったく聞き覚えのない名前ゆえ、いくらアルバムの評判が良かろうとそれだけなら買おうとは思わなかったのですが、本作を手に取るとまず目に飛び込んでくるのがゲスト・シンガー勢のクレジット。ファーギー・フレデリクセン、トニー・ミルズ、ヨルン・ランデ、ミカエル・アーランドソン、ロブ・モラッティ、ピーター・スンデル、キモ・ブロム…このちょっとした「メロハー・オールスターズ」といった顔触れには、そりゃあ興味をそそられずにはいられませんて。
音楽業界の裏方ソングライターとして、ドラマや映画、CMソング、他アーティストの楽曲を手掛けながら曲作りの腕前を磨いてきたキャリアの持ち主だけに、ヨルン・ランデが歌う(曲作りにも関与)爽やかな哀愁と高揚感が立ち昇る②、トニー・ミルズの伸びやかな歌声と哀愁薫るサビメロの取り合わせが絶品の名曲③、思わず気恥ずかしさを覚えてしまうぐらい甘くキャッチーな⑥、キモ・ブロムのクリアな歌声が哀愁味を引き立て、トール・タッレがギタリストとしても存在感を発揮する⑩等々、北欧らしい透明感と瑞々しさを併せ持つ哀メロに彩られたメロハー・サウンドは、単にゲストが豪華なだけの空虚な作品とは一線を画する見事なクオリティを誇っています。
現在は本業の方が忙しくこのプロジェクトは休眠状態となってしまっているようですが、本作を聴くと、是非とも継続をお願いしたくなる次第。

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