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The Magician's Birthday Party / URIAH HEEP
失恋船長 ★★★ (2020-12-14 14:15:17)
2001年にロンドンで行われた一大イベントを収録したライブ盤。フルパッケージではないし曲順も変えられている。しかし、今作には、そんな事はどうでも良いと思わせる圧倒的な魅力がある。それは、恩讐を乗り越えて、あのケン・ヘンズレーが参加していること、そして久ぶりにジョン・ロートンが美声を披露。さらにはゲストとしてFOCUSのタイス・ヴァン・レールがフルートとヨーデルを披露していたりと、お楽しみが多い。
特に20年の時を経て参加するケンの雄姿には、ファンならずともグッとくる要素も大きくあり、その夢の競演に興奮を覚えますね。
現ラインナップは①から④までと続けて披露、②ではタイスがお得意のヨーデル&フルートを用いり大いに楽しませてくれる。これは、後半が楽しみで仕方がないぞと思っていたら、⑤からはケン・ヘンズレーが本格参加、しかも名曲『July Morning』ときてますからね、興奮しないわけにはいかないでしょう、映像ではフィルと、ケンの姿を鑑賞でき、両雄が並び立つ豪華な布陣に感慨深いものを感じます。あのケンが、もう一度、HEEPのステージに立っているのですからね。⑧の『The Magician's Birthday 』からジョン・ロートンも参加、このお祭りに華を添えてくれます。
圧巻なのは久しぶりに披露された⑨は名曲『Sympathy』、比較するのはナンセンスだが、やはり役者の違いを感じずにはいられないジョン・ロートンの歌声に痺れます。そして次の『Free 'n' Easy』でトドメを刺しますね。本来はアンコールでやっていたのですが、現ラインナップに対する配慮もあってか、最後の2曲は『Sunrise』『Easy Livin'』 でライブCDは幕を閉じるのですが、ジョン・ロートンの凄さに圧倒され、正直、ラストの2曲が入ってこないという、個人的な問題はあれど、今作の持つ意味合いの大きさを如実に感じてしまいます。
現ラインナップの小粒感、それを証明する形にはなったが、それが今のHEEPだという事実に変わりはない。そして長くに渡って育まれた良好なメンバーシップ、それだけは確実に肌で感じることが出来る。

結局、一夜の夢とかしたラインナップではあるが、その後、ジョンとケンは二人で動き出し、オリジナルアルバム制作に向かうのだから、この共演は大きな意味がありましたね(ジョンとケンのプロジェクトは空中分解する)。

何を求めるかで評価も大きく分かれるでしょう、バーニーがロートンに牙を剥く⑧なんてすごいと思う。久しぶりのケンとミックのツインギターも贅沢だった。そういう意味ではお腹一杯である。個人的には映像込みで見て欲しい作品ではありますが、音源なら簡単に聴けますので、この夢の競演を楽しんでもらいたいですね。余計な予備知識を入れずに触れると、二度三度と驚くでしょう。そんなサプライズ感も今作最大の魅力ですよ。
個人的には、現ラインナップの充実ぶりを知ることが出来たのが最大の収穫でした。

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