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Hybrid Ice / HYBRID ICE
火薬バカ一代 ★★★ (2020-11-03 00:28:23)
結成は60年代まで遡るという「超」の付くベテラン・バンドが、苦節十数年、ようやく'82年に自主制作でリリースした1stアルバム。
長らくHR/HMシーンの片隅に埋もれてしまっていたところ、トム・ショルツのお眼鏡に適いBOSTONが4th『WALK ON』において、本作収録曲“MAGDELENE”をカヴァーした辺りからマニアの間で注目度が高まり、’00年に入ってESCAPE MUSIC(日本盤はプログレ系レーベルとして知られるマーキー/ベル・アンティーク)からCDとしてリイシューされる運びとなりました。
“移民の歌”っぽいGリフと緊張感を湛えたKeyリフが交錯するOPナンバー①こそプログレ・メタル的な感触ですが、CD化に際して追加収録されたこの曲は本編においてはどちらかと言えば例外的存在。次曲以降は、デニス・デ・ヤング似の張りのあるハイトーンVoや、メンバー全員が歌える強みを生かした分厚いボーカル・ハーモニーはSTYXから、ギターの重ね方はBOSTONから、構築美を感じさせる曲展開はKANSASから…といった具合に、同時期にヒット・チャートを賑わせたアメリカン・プログレ・ハード勢からの影響を伺わせるキャッチーで親しみ易いサウンドが全編に亘って繰り広げられています。
甘くポップなSTYX調バラード③、初期BOSTON風味が薫る④、大仰にならない程度の構築感を宿した⑦、哀愁を帯びて本編を締め括るバラード⑪等、聴き応え十分の楽曲が並び、マニアからお宝盤扱いされるのも納得の仕上がりです。
彼らがリリースしている他のアルバムも聴いてみたいが、もう廃盤なんですよね。

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