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Before We Were Cowboys / PANTERA
火薬バカ一代 ★★★ (2020-10-15 00:51:53)
テリー・グレイズの後任シンガーにフィル・アンセルモを加えたPANTERAが、’88年12月に地元テキサス州ダラスのザ・ベースメント・クラブで行ったライブの模様を収録した実況録音盤が、今頃になってひょっこりリリース。嬉しいじゃありませんか。
セットリストの大半を占めるのは、当時発表されたばかりの4thアルバムにして、1st~3rdともども公式ディスコグラフィーからは抹消済の不遇の名盤『POWER METAL』収録曲。代表作『俗悪』において、その後のヘヴィ・ミュージックの在り方を根底から覆してしまったPANTERAですが、この頃はJUDAS PRIESTからの濃厚な影響を滲ませる正統派パワー・メタルを実践しており、そこに全盛期のロブ・ハルフォードもかくやというハイピッチ・スクリームが鼓膜をつんざくフィルのVo、金属質なリフを刻み鮮烈なソロを焼き付かせるダイムバック・ダレルのG、硬質且つタイトな音塊を次々打ち出すヴィニー・ポール&レックス・ブラウンの鉄壁のリズム隊という、90年代以降のPANTERAの片鱗を早くもチラ見させるメンバーの強靭なライブ・パフォーマンスが組み合わさった結果、場面によっては図らずも、本家JUDAS PRIESTが後に発表する名作『PAINKILLER』の領域へと一足お先に彼らが到達してしまっている(ように思える)ことに驚かされますよ。
これでもし、この時期のPANTERAが“PAINKILLER”的な代表曲を生み出し得ていたらば、その後のHR/HM史は変わっていたんじゃなかろうか?と、思わず益体もない妄想をさせられてしまうライブ盤でありました。
いつか1st~4thも公式に再発してくれないもんかなぁ。

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