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Van Halen / VAN HALEN
失恋船長 ★★★ (2020-10-08 12:59:13)
初めてHM/HRというジャンルを意識して聴いたのは1984年頃、既に時代の寵児であり当時はヴォーカル交代問題で話題をかっさらっていた記憶がある。
ど派手なインスト②にぶっ飛び、CMなどでも使われたKINKSのカヴァーはもはやVAN HALENのモノと言っても大げさではない代物、能天気なアメリカンだけじゃないダークな④、今作屈指のギターワークが楽しめる⑤と続き、凄いアルバムなんだという事を思い知らされた。
特に②における鮮烈なるギタープレイは、今聴いても鮮度がありライトハンド奏法という言葉を、多くのギタリストの脳裏にインプットさせる。今でもこの言葉を使う人も多いでしょうね。ロックギター史に残る一枚であることに異論はないが、まだまだツメの甘さも見受けられるが、エディの凄さは派手なソロにあらず、⑤のような曲で聴ける、バッキングの妙味。そのパワフルさと堅実なリズムの刻み、ハードエッジを残しつつ正確に弾きだされるエディの基本的なプレイあってのソロなんだと思い知らされる。
バンド自体もアメリカンロックの代名詞になるような陽気さよりもシリアスさが強く(邦題『炎の導火線』は秀逸)ダイナミックな演奏と相まって独自のスタイルを築いていると言えよう。ダイアモンド・ディブも野性味全開の歌声を披露、明るめの曲よりも、彼の声は似あっていると思う。そしてマイケル・アンソニーの存在はベースプレイのみならずコーラスワークでも貢献、4人編成のポテンシャルを総動員して果敢に作り上げている。若さと野心に満ち溢れたアメリカンハードの歴史に名を刻み名盤中の名盤。
今日のような寂しい気持ちに寄り添ってくれるのは、⑨のようなブルースナンバーかもしれない。
R.I.Pエディである。
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