この曲を聴け! 

From Beyond / MASSACRE
火薬バカ一代 ★★★ (2020-10-05 23:27:34)
故チャック・シュルデナーとの関連で度々名前を耳にするものの、実際に音まで聴いたことがあるDEATHファンはあまり多くないという、フロリダの古参デス・メタル・バンドMASSACREが'91年にEARACHE RECORDSから発表した1stアルバム。
製作時の布陣は、MASSACREの看板を背負い続けるリック・ロッツ(G)、デス声のパイオニアの一人であるカム・リー(Vo)、現OBITUARYのテリー・バトラー(B)、一時期名古屋のDISK HEAVENで目撃情報が相次いだ(店員として働いていたらしい)ビル・アンドリュース(Ds)という、全員が初期DEATH、ないしその前身であるMANTASに関わったメンバーばかり。なので出している音も「チャックのいないDEATH」といった趣きのデス・メタル・サウンド…と書くと退屈そうに思われるかもしれまんせんが、さに非ず。
コリン・リチャードソンの手による低音の効いた音作りや、怨嗟に塗れた咆哮、かさぶたを剥がした傷口の如きジュクジュクのリフを刻み、SLAYER直系の鼓膜に突き刺さるソロも繰り出すG、そしてブラストは用いず、飽くまでスラッシュ・メタルに根差した乾いたビートでリズム隊が突っ走る、今となっては「母さん、僕のあの帽子、どうしたんでしょうね」と懐かしさすら覚えるオールドスクールなデス・メタルっぷりに胸トキメキます。
中には意表を突いて大仰なオーケストレーションが導入された実験的――というほど小難しくはないが――な楽曲もあったりしますが、やはり本作のハイライトはストレートに突っ走る⑩(初期DEATHの名曲のリメイク)ではないかと。
再発盤は'92年発表のEP『『INHUMAN CONDITION』も収録されていてお得ですよ。

→同意