この曲を聴け! 

…and Justice for All / METALLICA
悪い悪魔 ★★ (2020-09-09 14:48:22)
ベースが聴こえない事に関して色々言われる4th。

でも、メタル自体そこまでベースが重要ではないジャンルだし、メタリカはその中でも特にベースが大事ではない音楽をやってるように思うので個人的にはあまり気にならない。
クリフがいた時はベースに工夫がなされている曲があったので、それが好きだった人には不評なのかな?
でもメタルのベースってルート弾きが大半のイメージがあるし、ベースがないからといって面白くなくなるような曲はもっと別のところに問題があると思う。
ただ、ハーモニーにこだわってるバンドならベースの出す音はかなり重要になってくると思います。
リードギターがメロディを取れば、コードトーンを出す事ができるのは、サイドギターとベースの2本だけになりますからね。
それにベースは和音を鳴らさないことが一般的で、更に制限がかかってきます。
リードギターのメロディによって、伴奏も変わってきますから、和声を正しく成立させることはバンド形態では結構大変なことなんです。

じゃ、メタリカはどうかというと例外はあれど和声だとか理論を無視した音楽性ですから、別にベースが無くなろうがあまり大した問題ではないんですよ。
重さがなくて物足りないと感じるかもしれませんが。
そもそもね、パワーコードでガガガガ弾きまくってるようなバンドが、音楽的(理論的)に高度なんて事はまずありえない訳です。
平行5度をやりまくりコード感無視の音楽に対して、何を今更ベースが聴こえないくらいで騒ぐ事になるのかとても疑問に思います。
基本的にはベースが重要になってくるのは和声的な音楽です。それか和声などをある程度無視して、各楽器がむちゃくちゃ弾きまくるような音楽。
メタリカはどっちでもないと僕は思ってます。

そんな訳で、ベース問題でちょっと的外れな批判を受けているように思うこのメタリカの4thですが、僕は好きです。
このアルバムが嫌いな人はベースが聴こえないのが原因ではなくて、単にスピードとリフの愛想のなさが気に食わないのだと思います。
それに前作の時点で既になくなっていた覇気が、このアルバムではもっとなくなってます。
しかし、僕はクリフ時代のアルバムは2ndのRide The Lightningが最も好きで、覇気がなくなった前作からもう違和感を感じていましたし、このアルバムを聴いた時はさほど驚きませんでした。
スピードはないし、リフの出来はこれまでに比べると劣るのでお世辞にも良いとは言えないけれど、何故かこの冷めた愛想のない無機質でメカニックな楽曲に愛着を覚えます。
前作と打って変わって批判されがちな今作ですが、聴く頻度はこっちの方が僕は高いです。
ただ1曲目がズバ抜けて良くできているので、他の曲とのギャップが痛いのは確かです。
ただ前作も冒頭2曲とその他って感じで、中盤がとてつもなくつまらないので、どっこいどっこいだと思います。

個人的にはジェームズのリフセンスはイマイチだと思いますし、クリフやジェイソンが関与してない楽曲はどうにもコントロール不足だと感じます。
皆んな大好きBlackenedだってジェイソンとの共作だし、To Live Is To Dieのあのメロディもクリフが作ったもので、ジェームズの作曲能力は過大評価だと思えてしまうんですよ。
あくまでも僕の意見ですが。
リフマスターだとか言われてますけど、ぶっちゃけジェームズより良いリフを作る人は沢山いると思います。
ただ、このアルバムに似た作品を今まで聴いた事がないので、オリジナリティを持ったアーティストではあると思います。

最後にざっと曲を紹介します。
まずは説明不要のBlackened。
もうこれは何も言うことないよな?メタラーなら大抵カッコいいと思うはず。

次にちょっと説明が必要な2曲目のタイトルトラック。
リフが結構つまらないので、Blackenedには劣りますが、曲展開が工夫されていますし、独特の無機質な世界観を味わえます。サビが意外にメロディアスだったりして、聴き込めば不思議と馴染んでくる曲です。

In Flamesがカバーした3曲目は個人的にはイマイチです。
刻みを楽しむだけの曲。メロディがマヌケすぎるし、今でも嫌悪感を覚える。

4曲目はBlackened同様、説明しなくて良いですね。
僕はゴリゴリのメタルが好きなので、序盤が退屈で仕方ないですが、代表曲ですので聴く価値はあります。

5曲目はそれなりにメタルらしいハードな曲です。
やっぱりそれなりにつまらなさもありますが、キャッチーなフレーズがちょこちょこ出てきますし、軽快なノリで良いと思います。

6曲目はヘヴィなナンバーです。
初めは嫌いでしたが、次第にこのダークなムードがクセになって今ではそこそこ好きな曲です。

7曲目はBlackenedの劣化版みたいな曲です。
サビが似てるから同じような印象を持つのかな?リフが前作のLeaper Messiahみたいに笑えます。メタルで笑わせにくるとはな笑
しかもシリアスな歌詞なんですよね。何やっとんねん!このずっとこどっこいが!!と、もしクリフが生きていたらツッコミを入れそうな曲。

8曲目はドリムシが拝借していたあのメロディが聴けるインスト。
クリフが作ったメロディは流石の出来だが、他のメンバーがつけ足した部分が面白味に欠けるように思います。メリハリがあるってことで良いのかもしれないけど。

9曲目はボーナスを除けばラストで、気持ちよくアルバムを締めてくれる良曲。
リフ良し、歌メロ良しとこのアルバムの中ではBlackenedと並んで爽快感があります。
割と隙間があってBlackenedと違って密度は薄いですが、程よく力が抜けていて良いと思います。

メタリカは言いたい事が沢山あってめちゃくちゃ長くなってしまいました。
読みにくい上、中身のない駄文で申し訳ないです。
以上、僕の感想です。
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