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Sabotage / BLACK SABBATH
kamiko! ★★★ (2020-08-20 21:56:42)
英国産ロック1975年作
サバスは大抵このサイトに来た頃にレビューしたと思ってたが、書き込みしてない盤があるようだ。
昔書いた内容を見ると適当な書き込みをしてるなぁと思うが、ダブって書き込むのは良くないので書いてない盤をレビュー。
前作Sabath Bloody Sabbath(1973年)までの作品と比べると随分と聴こえ方が違う。オジーの固有の声質、血を感じる温もりを含むギターといった
感触が前作までには一貫して感じられたが、この盤は少し違う。前作までの初期作品は総じて楽曲はワリと整然とし、旋律の味わい、湿度の高いドロリとした
感じが魅力的だったが、この盤以降、湿度が若干下がる。また、この盤のみに感じる固有の味わいは、メランコリックさすら感じる前作までの落ち着いた
空気から一転して、狂人を更に際立たせる叫びにも近いオジーの歌唱、敢えて釈然としないハーモニーや音程を導入し、この盤固有の演奏のバラつきや、
ギターソロの深めな残響音が従来にはなかった浮遊感を生み出すなど、そういう要素が今までとは全く異なる類いの狂気を生み出し、カオティックな緊張感が
濃厚に出ているところが大きな特徴だ。そういう作品なので聴く人によっては、まとまりに欠けると思ったり、プログレに例えるケースもあるだろう。
前作までの初期作品を教科書通りのサバス作品とすると、この作品はその範疇にはなく、また違った趣きのある作風だ。
ボクの好みとしては、前作までの、落ち着いた湿度が高めの作風が好きだが、コレはコレでサバス固有の狂気に満ちた良作だと思う。

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