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LOVEBITES
Tamasa ★★★ (2020-08-04 19:31:50)
日本のメタル史に残る至宝。ある種のスーパーバンド。

圧倒的な力量のヴォーカルとドラム、国内では前例のない完璧なツインリード、極めて高い作曲、編曲能力。どれをとっても世界レベル。メタル好きの琴線に触れまくり、ツボを的確に突いてくるセンスが凄い。また、アルバムのMixも最初から世界基準になっているため、聴いていて邦楽感が全くない。

彼女たちが80年代メタルの模倣だけに終わっていないのは、これまでいそうでいなかったR&Bをルーツに持つ女性メタルボーカリストasamiと、クラシックピアノをルーツに持つコンポーザーmiyakoの存在。キーボードではなくピアノという所がポイント。弦だけで作曲するのとは違ったアプローチが取られているのと同時に、表面的ではないクラシックとの融合が根底に流れている点が、LOVEBITESの武器、個性になっている。

結成の経緯には間違いなく大人の知恵が入っているであろうものの、ここまでの化学変化が起こるとは思っていなかったのではないか。少なくとも、リズム隊の2人が前バンドを離れ、新バンドを結成しようと動き始めたのがスタートなのは事実なのだが、用意された外部ライターmaoを超える作曲・編曲能力を持つmiyakoと天才ボーカリストasamiを発掘できたことは奇跡だった。(ESP主席卒業というmidoriを見つけたのは何となく分かるし、シュレッド系ということならば他に選択肢がない事もなかったと思う。結果として外せないピースにはなった訳だが。)


LOVEBITESのデビューは、個人的にはLOUDNESSがデビューした時以来の衝撃だった。
オッサンのノスタルジアを込めて言えば、LOUDNESSとVOW WOWの良いとこ取りというか…。誤解を恐れずに言えば、曲の完成度は80年代のラウドネスを超えている。余談だが、Don't Bite The Dustのタイトルとラストのシャウトに浜田麻里のDon't Change Your Mindを感じたがったり、バンドロゴや醸し出す雰囲気、Battle In The EastのタイトルにLOUDNESSを感じたりしたがるのはおっさんの悪いクセですね。はい。

メタル村での「女性」という偏見、メタルに徹するが故のセールス問題と足かせは多いが、このまま突き抜けて欲しい。メタルの最終兵器であり、メタル界から一般リスナーへの最終兵器でもある。

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