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Hellraiser / KROKUS
失恋船長 ★★★ (2020-07-27 18:17:34)
前作はスイスで売れて成功したと思われたのだが、フェルナンド・ヴァン・アーブがバンドを離れるという大事件が勃発。オリジナルメンバーがいない中でバンドはマーク・ストレイスを中心に活動。前作から参加のギター、ドミニク・ヴァベス。90年代から出たり入ったりのトニー・キャステルがベースを引き続き担当。新しい血としてドラムに、あのステファン・シュワルツマン、ギターはマンディ・メイヤーときたんですから驚きです。
この新しい血の導入が、どう音楽性に影響を及ぼすのかと思いましたが、プロデュースを担当する気鋭のデニス・ワードの下、マーク・ストレイスの歌声を生かした、クロークスのキャリアを網羅したような作風に落ち着いた。
とにかく、前作にあった温和なムードを打破、悪っぽいイメージを音に込め、その中で大衆的なスタイルをあったりと、バラエティ色も豊かなベテランによる全時代対応の総決算スタイルを取っている。
やはり、メタリックなスピードナンバーがあったのが良かった。こういう曲がなければ、哀愁のバラードも引き立たんよ。リードギターを担当したマンディ・メイヤーは引き出しの多い多彩なギタースタイルで魅了。
ある意味、マーク・ストレイスのソロアルバムと言っても過言ではないラインナップを、クロークス風味でまとめることで成立させたアルバム。デニス・ワードのおかげでメロディに情緒が増したのなら、彼の起用は大正解だったろう。

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