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So Far, So Bad / BURN
火薬バカ一代 ★★ (2020-05-23 09:21:05)
同名バンドが世界中にいて最早どれがどれだかです、こちらはマーク(B)とバーニー(Key)のスタックハウス兄弟により結成され、オリジナル・メンバーだったドラマーの死去という悲劇を乗り越えて、現在までに4枚のアルバムを残している英国出身の5人組。本作は彼らが'93年に発表した1stアルバムにあたる作品です。自主制作盤かな?
当時雑誌の輸入盤レビューで見かけて以来気になってはいたものの、結局買う機会を逸したまま早幾年月。それが去年の正月に古本屋のCDコーナーで500円で売られているのを偶然発見してしまい、思わず「やっと会えたね…」と辻仁成みたいなことを口走ってしまいましたよ。
このバンド名でメンバーにKey奏者もいるとなると、ついついDEEP PURPLE型HRを期待してしまうのが人情というものですが、彼らが志向するサウンドは、熱っぽく歌い上げるVo、コンパクトに練られたソロを弾くG、煌めくKeyと厚めに敷かれたコーラスをフィーチュアした大陸志向のメロディック・ロック。躍動感溢れるロックンロールから乾いた哀愁漂わすバラードまで、収録曲をバラエティ豊かに揃えつつ、いずれも能天気にはなりきれない欧州風味の翳りをそこはかとなく湛えている辺りが、何と言うか「ああ、非常にイギリスのバンドっぽいなぁ」と。個人的にはヴァースからサビメロにかけて、1曲の中でメロディの質が寒と暖のグラデーションを描く②や⑧がツボにハマりましたね。
収録曲の出来栄えにややムラっ気が感じられるものの、90年代にこの音楽性で(しかも英国で)勝負を賭ける、その心意気や良し!な1枚。
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