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Years of Aggression / SUICIDAL ANGELS
火薬バカ一代 ★★★ (2020-04-03 00:01:00)
デビュー以来順調に作品リリースを重ね、’15年には来日公演も行う等、ギリシャのHR/HMシーンを牽引し続けるスラッシュ・メタル・バンドSUICIDAL ANGELSが、前作から3年ぶりとなる'19年に発表した7thアルバム。
ミレ・ペトロッツァの覚え目出度いことでも知られる彼らですが、本作では益々「ギリシャのKREATOR」化が進行。ヤスリ声のシャウトVoや、刺々しく刻まれるGリフでサウンドのアグレッションを維持しつつ、スピードは若干抑え気味に、その分ツインGが奏でる欧州風味のダークネスを孕んだ抒情旋律とドラマティックな曲展開をマシマシにしていくスタイルも、近作のKREATORの流儀に通じます。そりゃ気に入られるよねと。象徴的なのがアルバムを締め括る7分オーバーのイーヴルなヘヴィ・チューン⑩の存在で、最初はてっきり中盤でスピードアップするだろうと思っていましたが、最後まで重厚なテンポを保ったままエンディングを迎える意表を突いた作りからも、本作においてバンドが目指した方向性がハッキリと伝わってくるのではないかと。
そんなわけで、一聴してのインパクトやスラッシュ・メタル然としたエキサイトメントは従来作に一歩譲る感は否めませんが、それを補うようにツインGが全編をメロディックに駆け巡っており、特に鋭利且つキャッチーなGリフ、畳み掛けるスピーディなリズム、その中で2本のGが劇的に絡み合う②は、安易なKREATORクローンとは一線を画するSUICIDAL ANGELSの凄味を伝えてくれる名曲ですよ。
未だ高いテンションを漲らす、アルバム・タイトルに偽りなしの1枚。

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