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Edge of Thorns / SAVATAGE
火薬バカ一代 ★★ (2007-07-28 02:06:00)
ジョン・オリヴァ(Vo)が脱退。後任にジョンと良く似た声質(彼より癖がなく、万人受けするタイプの声)の持ち主、
ザッカリー・スティーヴンスを迎え入れ、'93年に発表した7thアルバム。
メイン・ソングライターの1人だったジョンを欠いた事で、作品のクオリティの著しい低下が懸念されたが、蓋を開けてみれば
そんな不安は、冷ややかにして儚げなピアノの音色で幕を開け、重厚に刻まれるリフ&リズムの上をクリス・オリヴァのGが華麗に舞い、
ザッカリーが堂々たる歌唱を披露する“GUTTER BALLET"クラスの名曲①が始まった途端に、綺麗サッパリ吹き飛んだ。
アルバム全体としては、前作『STREETS A ROCK OPERA』の如き緻密さは薄れ、肩の力の抜けたストレートな仕上がりながら、
起承転結がビシッと決まったドラマチックな②、クラシカルなインスト曲⑤から繋がる壮麗な⑥、柔和で優しげなバラード⑩等、
SAVATAGEならではの「気品」と「劇的さ」に彩られたHMナンバーもしっかりと収録されているので安心されたし。
但し、ボーナス・トラックも含めて全15曲というボリュームは明らかに詰め込み過ぎだし、各楽曲の出来にもムラがあるので、
11曲目以降は少々ダレる。既に完成していた本作に、更に曲数を追加するよう命じたというレコード会社は何を考えていたんだか・・・。
しかし、そうした地味な楽曲の中にあっても、きっちりと聴かせ所を演出するクリスの「よく歌い」「よく泣く」Gプレイは
眩いばかりの強い輝きを放っていて、突然の事故死により、これが彼の遺作になってしまった事実を、一層惜しませるのであった。R.I.P.
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