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Shadow of the Sword / STäLKER
火薬バカ一代 ★★★ (2020-03-04 00:37:47)
直前のタイミングになって、ヘッドライナー・バンドから「アホか、君ら」な理由で出演キャンセルを食らい、しかもこのままだとこれが最後の開催になりかねない等、踏んだり蹴ったりだった今年のTRUE THRASH FEST。主催者側に落ち度は全然ないのだから最後なんて言わんと今後も何とか続けて欲しいのですが…。
とまれ、ベテラン勢の抜けた穴を埋めるべく、こんなご時世にも関わらず来日してくれた若手バンド――とMATYR――の奮闘は賞賛されて然るべきであり、折角の機会なので手元にあったニュージーランド出身のスピード・メタル・トリオ、STALKER(TTF初日に3番手として出演)が'17年に発表した1stアルバムをご紹介。
彼らが聴かせてくれるのは、ラフな音質に乗せて、アッパーテンションなハイトーンVoとささくれたリフ&リズムが疾走疾走また疾走という、EXCITERや初期SLAYER等からの影響を伺わせるオールドスクールなスピード・メタル・サウンド。
力押しでひたすらゴリゴリ突き進む本編は、微笑ましい反面「一本調子」とも紙一重なわけですが、忙しなく回転するGリフが80年代DESTRUCITONを彷彿とさせるOPナンバー①、メロディックなGソロが劇的に舞う②、起承転結がドラマティックに決まったエピック・チューン③という頭3曲の出来栄えが証明する通り、彼らのキャッチーな楽曲作りの腕前はなかなかのもの。アルバム後半にDEATHの名曲“EVIL DEAD”のカヴァー⑨を配置してアクセント代わりにしているのも効果的です。まぁ余りにハマり過ぎていて、他の楽曲を食っちゃってる感も無きにしも非ずなのですが。
日本盤が出てもおかしくないクオリティの備わった1枚。今後の飛躍に期待致します。

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