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Hollywood Forever / L.A. GUNS
火薬バカ一代 ★★★ (2019-09-16 22:29:58)
「遅れて来たLAメタル・バンド」として人気博すも、中心メンバーのフィリップ・ルイス(Vo)とトレイシー・ガンズ(G)の仲違いにより、2つに分裂してしまった時期もあったL.A. GUNS(現在は両者の関係も修復され一緒に活動しており、バンドもファンも皆ハッピー)。本作はその分裂期にフィル率いる方のL.A. GUNSが発表したアルバムです。
当時はそうした泥仕合の印象が悪過ぎて購入はスルー。その後、安売りされているのを発見して全く期待せずに聴き始めたぐらいの後ろ向きな態度だったのですが、意外や意外。これが結構な完成度を有しており、耳からポロッとイヤフォンが零れ落ちてしまいましたよ。
このバンドらしいバッド・ボーイズ・ロックンロールを基軸としつつも、経年によりサウンドの方には若干落ち着きが感じられるようになっていて、しかし、それによりメロディの哀愁味が明らかに増すという結果オーライぶり。特に憂いに満ちた②、じっくり聴かせる④、重厚な⑦、フィルの熱唱が胸を打つ⑨等、ミドル~バラード系の楽曲には耳惹かれずにはいられません。一方でアルバムの最初と最後にバンドがRAINBOWからの影響を語る①や、ノリの良い⑪のような疾走ナンバーを配し、全体の流れにメリハリをつける姿勢も「単に枯れただけと見縊んなよ?」ってなバンドの意地が感じられ頼もしいじゃないですか。
フィルのしわがれVoも相変わらず味わい深く、人によっては「いつまで経っても上手くなんねぇな」と思わるかもしれませんが、飾らない分直球で刺さってくるヘタウマ感を今も変わらずに保ち続けられるのは立派な才能。L.A. GUNSに欠かせぬ看板声ですよ。
そんなわけで予想以上に楽しめた1枚。次作も買わないと。

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