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Its Time / Jester
火薬バカ一代 ★★★ (2019-06-08 00:20:54)
カナダはオンタリオ州ウィンザー出身の4人組が、'94年に発表した1stアルバム。(恐らく唯一作)
国内盤はゼロ・コーポレーションからの発売。かつてゼロのカタログをコンプリートすべくレーベル買いを実行していた時期もあった身としては、本作の存在を全く関知していなかったことに少なからずショックを受けたのですが、インターネットが発達した現在ですら、調べてみても素性に関しては情報が少ないバンドゆえ、「どうせ大したことない内容なんだろ?あん?」と上から目線のオラついた態度で本作に挑んだところ、いやこれが非常に歯応えの感じられる作品で、逆に「舐めてて申し訳ありませんでした」とこっちがシメられる羽目になってしまったという。
音の方はほんのりプログレ風味も漂うメロディアスHR。明る過ぎず暗過ぎないサウンドはまさにカナディアン・メロハーの面目躍如といったところで、楽器陣は安定したテクニックを有し、中でもGと兼任でVo としてもその実力を遺憾なく発揮するフロントマンのT.J.ナイトは、同郷の先輩バンドTRIUMPHのリック・エメット師匠のことを思い出す逸材です。彼の憂いを帯びた声質が映える④⑧のような抒情バラードの素晴らしさも然ることながら、本編のハイライトは⑦。ハードに切り込むG、躍動するBに、オカズ満載で踊るDsとが、キャッチーな歌メロを伴い適度な緊迫感を湛えて駆け抜けていくこの名曲を聴けただけで、本作購入代金の元は回収した気分になりましたよ。
「中古盤が3桁で買えてしまう名盤」リストに名前を追加したくなる1枚でした。

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