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OUT TO LAUNCH / V2
失恋船長 ★★★ (2019-03-19 21:09:29)
後年、Fair Warningのトミー・ハートがいたバンドということでプチ話題になったバンド。マニア筋にとっては、それ以前から渡米後のScorpionsのようなメロディアスなサウンドのジャーマンメタルとして知られており、その洗練されたサウンドはFair Warningのトミー・ハートの威光など借りずとも十分魅力的だった。
今作ではシンガーが交代、そのせいでウンコみたいな扱いを受ける2枚目のアルバムのなのだが、メインストリームに寄り添う洗練されたハードサウンドは前作以上にアメリカン市場を意識した作りとなっており、ザラついたハードテイストと欧州風味満点のメロディが程良く混ざり合い、耳馴染みの良いハードサウンドを披露。ポップでキャッチーさもあるが、メタリックかつエネルギッシュなパワー内包しているので軟弱な要素は薄めなのが、ドイツ産ならではの味わいなんだろう。
トミー・ハートの歌声があれば、なお良かったと言うか彼が唄えば見たいな情景も浮かばせるのが、ちとマイナスなのだが、そんな背景など知らなければ、活きのいい演奏を堪能できるメジャー級のメタルアルバムとして大いに楽しめるだろう。ギターも懐かしきヒーロー然とした派手なプレイで楽曲を盛り立てていますからね。
NWOTHM軍団とは違い、この時代ならではの自然な作りは、身体にスッと入ってきます。ノリ良く攻めてきたんだが、ちょっと変化が欲しいならと思っているときにアコギを活用した、もの悲しいバラードを放り込んできたのが肝。
若い頃は、なぜ甘い和菓子の付け合わせに、塩昆布とか、漬物が出るのかと手を出さなかったが、オジサンになると、あの組み合わせの絶妙さに膝を打つ。むしろ、和菓子の合間に塩っ気の強いものは、お口直しに丁度よいのだ。そんなワビサビを感じさせる選曲に引っ張られ、バラードの次はライブなのか、ライブ風なのか分からないが、ライブ体験が出来る⑥の『Knock Me Out』の勢いは爽快感すら漂っている。やはり何度聴いても良いアルバムであり、コマーシャル性と硬質なメタル感を同時に楽しめる一品だと思いますよ。
音楽は名前ではなく音を楽しむものです。時折ライナーノーツや雑誌の記事を読み漁り理論武装をしてくる輩がいますが、ワタクシは大の苦手です。そんなの5人組の伝言ゲームの4人目みたいなもんですよ。原型と留めいない質の低い伝聞に興味なしです。
ワタクシが聴きたいのは目の前で鳴り響く音の話です。偉い評論家がこう言っていたから凄いとか、ライナーで絶賛されているから凄いとかどうでもよい話。そのライナーや切り抜き記事を咀嚼して語れる人の話は、とても興味がありますが、マルマルは本当に勘弁して欲しい。一ミリも賢く見えませんよ。世間的にアウトローなメタルサウンドを聴いてまで、誰かの意見に足並みを揃えるなどまっぴらゴメンです。そんな事がしたいのであれば、ワタクシは売上順にJ-POPを聴きます。
ワタクシが好きなのは流行り廃りとは無縁のへヴィメタルですのでね。
→同意