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Time to Burn / GIANT
火薬バカ一代 ★★★ (2019-02-28 22:48:25)
ダン・ハフ(Vo、G)と言えば、歌もギターもエモーショナル、曲作りに冴えを発揮し、現在はロック/カントリー分野で引く手数多のプロデューサーとして名を馳せる傑物。その彼が弟のデヴィッド・ハフ(B)、アラン・パスカ(Key)ら、名うてのセッション・ミュージシャン達と結成したGIANTが、1st『LAST OF THE RUNAWAY』のスマッシュ・ヒット後EPIC RECORDSへと移籍して、'92年に発表した2ndアルバムがこちら。
折からのグランジ・ブームに巻き込まれ、セールス的には不本意な結果に終わってしまったと聞く本作ですが、高度な演奏技術と卓越したアレンジ・センスをキャッチーで分かり易い楽曲作りのためにに惜しみなく注ぎ込んだ、ほんのりブルージーな香り漂うメロディック・ロック・サウンドは、傑作だった前作にだって引けを取らない充実っぷり。
90年代という時節柄、メロディの透明感やKeyの活躍の場といったAOR/産業ロック色はやや減退。一緒に歌いたくなるアリーナ・ロック然としたOPナンバー①、7分以上に及ぶ重厚且つドラマティックな②、あるいはホットなGプレイをフィーチュアした疾走ナンバー⑥等に代表される通り、今回はよりダイナミックにロックしているとの印象が強い作風です。ただそうした楽曲においても必ず耳を捉えるメロディやコーラス・ワークが仕込まれていて、大味感の蔓延を巧みに逃れているのがニクイ。PVも作られたキャッチネスと仄かな哀愁の同居が秀逸な名曲④、泣きまくる⑤と大らかな⑩という2種のバラードで本領が発揮される、ダンの歌とギターにも涙を誘われずにはいられませんて。
発表のタイミングがもう少し早ければ、ヒット・チャート上位にランクインしたって不思議ではなかった力作。
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