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今日の10曲
失恋船長 (2018-12-28 08:20:28)
『年の瀬にミステリー』10選 

①貴志 祐介 - 『クリムゾンの迷宮』
ノベルゲームを用いた展開が秀逸だと思った
SFタッチと思いきや男の哀愁溢れるハードボイルド風でもある
読み進めるごとに興味も深まる
ああいう終わり方が逆に余韻を残す



②鈴木光司 - 『リング』
映画のせいでケチがついた印象がある
彼が描きたかったのとは違う方向に進んでしまったのが映画
謎ときミステリーとしても一級だが
ホラーとしても素晴らしい
けして超常現象をテーマに
なんでもありの破綻をきたしたストーリーにしてないのが素晴らしい

③横溝正史 - 『悪魔の手毬唄』
映画と原作ではかなりイメージが異なる
原作での犯人は救いようのないサイコパスだった
個人的には金田一シリーズの中でベスト3には入る名著だと思う

④藤原伊織 - 『テロリストのパラソル』
ヒリリと胸に焼きつくハードボイルド作
すべての謎が解けた時のやるせなさが胸に迫る
少々強引ともいえる終わり方かもしれないが
これで良いと思えるのも確か
子供の頃に読んだのでビターな話だなぁと思った


⑤東野圭吾 - 『眠りの森』
加賀恭一郎シリーズ
ストーリーの構成も展開も見事
なんだかんだで切ない話だったなぁ
王道ミステリーのようで裏切りの連続でもある
読み手の嗜好によって感じ方も異なるだろう
外れを掴ませない文豪だよ


⑥小野不由美 - 『残穢』
現代の怪談もの
登場人物の多さに驚く
宮部みゆきの理由を思い出させる展開だった
怪談ものを真正面から受け止め
今の感性で見事に描き切った名作だ
実写も貞子よりはずっとましだったが
貞子のほうがウケが良いと知って心底驚いた


⑦横山 秀夫 - 『第三の時効』
リアル刑事ものを書かせたら右に出るものはいない
警察組織の在り方は一民間人として
到底理解できない組織構造だ
短編集なのだがすべてが面白い
特に沈黙のアリバイ
表題作は秀逸だと思う



⑧高橋 克彦 - 『私の骨』
怪談やホラーにミステリーと揃った短編集
表題作などは
じっくりと時間をかけて長編にしてもらいたいと思うほど面白かった
このテーマにもっと内容を掘り下げて欲しいとね
読み終えたあとの嫌な感覚がたまらん


⑨中島らも - 『ガダラの豚』
文庫だと3部作になる長編
これが全然ダレない
新興宗教に呪いや超能力と言った胡散臭いものを巧みに展開している
一気に読ませるエンタメ性が凄い
是非とも映像化して欲しい名作だ


⑩貴志 祐介 - 『黒い家』
初読の興奮は忘れなれない
あまりの面白さに朝から晩まで読みふけった
僅か一日
興奮冷めやらず次の日からゆっくりと読みかえした
本を読んで初めて怖くなりページを閉じ
後ろを振り返ったのは後のにも先にもこれしかない

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