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Aestetica / 浜田麻里
失恋船長 ★★★ (2018-12-03 14:19:55)
日本の音楽業界と言う特殊な環境の中で活動を余儀なくされた浜田麻里。メタルシンガーとしてデビューしてからの彼女はけして順風満帆とは言えなかったろう。メタルシンガーとして脚光を浴びた彼女、週刊誌などにステージ上のパンチラなど載せられたり(恐らく彼女のためのイメージ戦略、週刊誌側がそんなもん撮るわけがない)、中森明菜と衣装さんが同じとか?どうでもよい情報を流す始末。ライブなどスポットライトを浴びるのは彼女のみで、バックメンバーは暗がりのステージで黙々と演奏していた。ギターソロでもスポットは当たらず、彼女の映像作品など見ていてつまらない。女性と言うモノをこれでもかと売り込まれた。上手い下手は関係ないエロいかエロくないか?そんなアーティストとしての入り口を誇張される環境、おかげでコアなメタルファンからはソッポを向かれ完全なる色モノ扱いだ。
抜群の歌唱力を生かし路線変更。その甲斐あって紅白に出場打診されるまでヒット。その後の躍進ぶりを遠くから眺めていましたね。
今作はメタル系アーティストと海外組を融合、作曲クレジットもバランスを考え硬軟交えた楽曲を用意。ハードだがメロウさを前面に押し出した作風に回帰。それらは遊びを徹底的に排除し、勢いのあるハードナンバーから浮遊感漂う不思議な感覚のロックナンバーまで幅広く収録。主役たる浜田麻里のパフォーマンスは息遣いが伝わるようなリアルさがあり、ポップスしかしらないファンにとってもロックシンガーの魅力を存分に味わえる一枚へと仕上げてきました。
長きにわたって培われた経験と修練の賜物と言える確かな歌唱力。澄み切ったハイトーンの美しさは唯一無二の存在感を放っている。ハードさを保ちつつも押し引きを得た楽曲群を、繊細な歌声で色付けするパフォーマンに魅了されました。
何を聴かせたいか明確に定めたサウンド、それは彼女の中の二面性を巧みに伝えきっている。ハードサウンドも良いが中盤に用意されたメロディアスな歌モノで聴かせる情感の豊かさは見事だ。キャッチーで切ない⑤など彼女の真骨頂だろう。
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