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Wired Up / JEFF PARIS
失恋船長 ★★★ (2018-05-05 13:26:47)
高いソングライティング力を誇るマルチプレイヤー、ジェフ・パリスが1987年にリリースした2nd。所謂、産業ロックと揶揄される音楽性なのですが、これがクオリティの高い楽曲が目白押し、適度にハードなバッキングの上をフックに富んだメロディが軽やかに舞い踊ります。アメリカンなんでじっとりと湿ってはいませんが、甘く切ない哀愁のメロディでギュッと抱きしめてくれますよ。
個人的には90年代に中期から2000年にかけてアホほど聴いたジャンルであり、この手の音楽性に触れてなければHM/HRに興味を失っていたかも知れません。この時期くらいから新譜に興味も薄れ、権威ある商業誌にも興味が薄れた時期だった。
そんなワタクシ自身の沈んだ時期に光を与えてくれたAOR系のハードサウンド。全編に渡り張り巡らされたメロディアスという仕掛けと、それらのアイデアを回収する手腕の鋭さ。主役たるジェフ・パリスのチョイハスキーヴォイスの熱量の高さは、軟弱に聴かせない説得力も完備、古き良きアメリカンロックを思いっきり体感させてくれる優れた一品です。
ソロアーティストして大きな成功を収められませんでしたが外部に曲を提供。今作に収められている④はVIXENに提供してヒットした事でも知られていますね。ギター、キーボード、シンガーとマルチプレイヤーで曲も書けるとい才能に溢れていたのに、運も実力の内なんだなぁと、こういう作品に触れる度に思い知らされます。
ちなみに今作でドラムを叩いているのは、あのマット・ソーラムですよ。
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