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Answer to the Master / IMPELLITTERI
失恋船長 ★★★ (2018-05-02 12:06:01)
90年代に入りグランジ・オルナタブームが席巻。その勢いは留まる事を知らずアメリカのロックシーンの勢力図を塗り替えていきました。メロディアスでスピーディーなメタルソングを渇望していたファンにとってクリス・インぺリテリが前作『Victim of the System』で鮮烈なる衝撃と共にシーンにカムバック。盟友ロブ・ロックを従え見事に帰還です。
今作はグラハムと作った1stのような情緒はありませんが、それでも空間を切り裂く高速ギターをぶちかまし主役たる存在感を猛烈にアピール。相変わらずのデジャブ感は満載だが、それでも普遍的にメタルを求めていたファンにとっては、ありがたい作風であり、日本のレコード会社主導とも言える作風は、多くのマニアの心に寄り添う形となった。
全9曲35分を切るランニングタイムと言うコンパクトさも手伝い、その視聴感は実に爽快なモノでしたね。
この作品を従え完全復活を印象つけたクリスだったが、作品を重ねる度に同じような作風の楽曲を乱発、結局、求心力を失う事となったのは皮肉なモノです。
やはり、どうしてもインギーの亜流というレッテルがあり、それ以外にも⑦のリフはドッケンのあれだしと、デジャブ感の強いギタリストだった。それだけに作風が狭い範疇で語られる音楽性に終始したものを2枚、3枚と続けて出すというのは、レコード会社の戦略もあれど、結果として尻すぼみになったのは痛し痒しと言うところだろう。
そういう意味でも、今作のもつ鮮度の高さは見逃せませんね。次作は日本以外でもリリースがあったのか、今作を下地にしたアルバムだっただけに余計にそう思いますよ。
今作で示したソリッドで攻撃的だが、メロディアスなインぺリテリサウンドの完成度の高さ、キャッチーで耳馴染みも良いのに軟弱に聴かせないサウンドメイクもクリスの代名詞となりましたね。
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