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Firepower / JUDAS PRIEST
夢想家・I ★★ (2018-04-01 22:58:03)
'18年発表の18thアルバムです。
個人的に、前作「REDEEMER OF SOULS」は楽曲の出来不出来以前に、どうにもPRIESTらしさが感じられずモヤモヤが残る作品で、今回のトム・アロム参加は、そのモヤモヤを払拭する何かをもたらしてくれるかも、という期待感を高めてくれる吉報でした。
しかしその後、リリース直前にグレン・ティプトンのパーキンソン病およびツアー離脱の報・・・。
ご存知のとおりロブにはHALFORDというサイド・プロジェクトがあり、差別化にはグレンのインプットが必要不可欠です。しかしそれが難しい状況となると、いかにリッチー・フォークナーが優れたギタリストであっても、抜けたK.Kと不調のグレン両方の穴を埋めるのは荷が重過ぎるでしょう。期待は再び不安に…。
そんな揺れ動く心境の中で聴いた本作の感想は、前作よりは聴かせ所の焦点が絞られており好感が持てるものの、残念ながら本来のPRIESTらしさに疑問を抱かせる違和感が覆る事はありませんでした。
冷静に分析すると、彼等自身の '80年代的なスタイルと現代的なアプローチの折衷度のさじ加減は「DEMOLITION」に近く、それをロブが歌って欧州向けのサウンドに仕立て直したアルバム、という印象を受けました。
曲はどれもキャッチーですが、小じんまりとした感が否めません。
また、アンディ・スニープの得意とするダイレクトな音作りとの相性も思った程では無く、雑味を取り除いてクリアになった反面、コクや旨味まで消えてしまったようで少々味気無く感じられ、PRIESTに英国らしさを求める向きとしては、音の響きにもっと潤いや余韻が欲しい所です…。
個人的には「NOSTRADAMUS」をコンセプト抜きで、ギター・オリエンテッドな作風にしたようなものをやって欲しいと切望していました。
"Rising From Ruins" や "Sea of Red" で聴けるロブのクリーン・トーンの歌唱はまだまだ衰えを見せず素晴らしいので、もっとこういった方向性を伸ばして欲しかったというのが正直な所です。

ただ、何があってもバンドを前進させるというグレンの強い信念はひしひしと伝わって来ました。
願わくば本作がグレンの最後の仕事にならない事を祈るのみ・・・です。

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