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A Farewell to Kings / RUSH
クーカイ ★★ (2001-09-12 14:07:00)
'77年発表。6作目。
10分を超える大作2曲(②と⑥)を収録する本作は、『2112』で用いた方法論がさらに洗練されている。HR/HM然とした"音"は変わらないが、全ての曲において明らかに『2112』の楽曲より曲の持つ"フック"がレベルアップしている。
また、アレックスのギターは楽曲によってソロの印象がかなり異なる。1曲目のタイトル曲では、イントロがアコースティックギターでリリカルに始まるが、ソロパートはある意味凶暴とも言えるようなアグレッシヴさに満ちている。そうかと思えば、3曲目「CLOSER TO THE HEART」(嗚呼、永遠の名曲!)では美しく優しいメロディを奏でる・・・。
この他にも3人のプレイが絡み合い、壮麗な大伽藍を構築するような②や⑥は圧巻である。
特に⑥は白鳥座X-1(我々の銀河で代表的なブラックホール)に向かう宇宙船ロシナンテ号の物語であると同時に、人間の精神の深奥へと向かう旅について歌っている。歌詞の世界もますます広がりと深みを獲得したといえる。
個人的には③を収録しているというだけでも傑作中の傑作なのだが、RUSHに初めて触れようという人はまず『2112』を聴いてみてからの方が良いかもしれない。
・・・そして、ロシナンテ号の冒険は次作『HEMISPHERES』に続く・・・。

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