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Cher / CHER
火薬バカ一代 ★★★ (2018-02-03 23:57:37)
70年代に歌手として一世を風靡し、80年代には女優業にも進出したシェールの音楽シーンへのカムバック・アルバムとして大いに注目を集めた’87年発表のソロ作。彼女のカタログでHR/HMファンに最も馴染み深い作品がこれではないでしょうか?
まず制作に当って、所属レーベルのゲフィンが彼女のために結集した人材が凄い。当時『SLIPPERY WHEN WET』をメガヒットさせ飛ぶ鳥落とす勢いだったBON JOVIとデズモンド・チャイルドのチーム、更にマイケル・ボルトン、ホーリー・ナイト、その他にもボニー・タイラーやTOTO、ジョー・リン・ターナーら有名ミュージシャン多数と、まさに「勝ちに行く」オーダーを組んでいて、その彼らが「必殺の1曲」を持ち寄った本編は当然捨て曲なし。どころか全曲シングル・カット可能なハイクオリティっぷりですよ。
フックが連続するスケールの大きなハードポップ・サウンド(ジム・スタインマンのプロデュース諸作に通じるもの有り)を堂々歌い上げる、シェールの表現力豊かなVoがこれまた素晴らしい。マイケル・ボルトンが作曲とプロデュースを手掛けた、全米チャート最高第10位のヒット曲①が本作の主役なのでしょうが、個人的には哀愁のバラード②(最高第14位)、自身が60年代に放ったヒット曲をドラマティックにリメイクした③という、BON JOVIとの共演曲(リッチー・サンボラがシェールと付き合ってたんだっけ)がお気に入り。
「ダンス・ディーヴァ」もしくは「整形のやり過ぎで顔面が凄いことになってるオバちゃん」とのイメージしかない方にも是非聴いて頂きたい1枚。ただプラチナムを獲得するほど売れた作品にも関わらず、国内盤が廃盤なままなのは何故なんだぜ?

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