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Mean Business / THE FIRM
火薬バカ一代 ★★ (2018-01-29 22:56:47)
BAD COMPANYを解散させたポール・ロジャースと、LED ZEPPELINを解散させたジミー・ペイジのご両人が、多発性硬化症を患うロニー・レーン(元FACES)のために開催されたベネフィット・コンサートを切っ掛けに意気投合。その後立ち上げたTHE FIRMが’86年に発表した2ndアルバムにしてラスト作となったのがこちら。
ペイジが弾き、ロジャースが歌う…こいつぁ凄いことになりそうな予感!とパンパンに膨らんだファンの期待を他所に、デビュー作で提示されたのはZEP色の薄い、シンプルで飾り気のないブルーズ・ロック。バブルに浮かれる80年代真っ盛りのロック・シーンにおいては、「地味」「期待外れ」と芳しい評価を得られなかったと聞き及びますが、後追いリスナーな上に、そもそもZEPには殆ど思い入れがないボンクラゆえ(BAD COMPANYは大好きなのですが)「ポール・ロジャースの上手い歌が聴ければいいか」ぐらいの過度な期待をせずに購入したことが奏功したのか、本作も十分楽しむことが出来ましたよ。
特にメロウに揺らめくヒット・チューン③や、後半から踊り出すピアノがバドカンの名曲“RUN WITH THE PACK”を思い起こさせる④といった、ブリティッシュ・ロックならではの哀愁と、ロジャース先生絶品の歌唱が堪能できる楽曲はバッチグー。また草原を吹き抜ける一陣のそよ風の如き⑩におけるペイジ御大のGプレイも実に味わい深く美味。
音質やアレンジ面を含め、同時代のヒット作に比べると圧倒的に華のない作風ではありますが、お陰で今聴き直しても時代性を意識せずに楽しむことができるという、ある意味タイムレスな魅力を持った(?)1枚ではないかと。

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