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Beat the Bastards / THE EXPLOITED
火薬バカ一代 ★★★ (2017-11-18 09:30:51)
名前は知っていても、まともに聴いたことはないパンク・バンドってのは結構多く、UKハードコア/パンク界のリビング・レジェンドこと、ワッティ・バカン(Vo)率いるTHE EXPLOITEDもそうしたバンドの一つ。なので彼らが’96年にMUSIC FOR NATIONSからリリースしたこの12thアルバム(多分)を初めて耳にした時はビックリでしたよ。ガリガリと鼓膜を引っ掻くGリフ、性急に突っ走るビートを抜群の安定感で支えるリズム隊、各曲にフィーチュアされ威勢よく迸るGソロ、怒りに満ちた咆哮で聴き手をアジテートしまくるVo等々。こりゃまた何とイカしたクロスオーバー・スラッシュか…というか、これってもう普通にカッコイイ、ストレートなスラッシュ・メタルの快作じゃん!と。
特に純粋な賛辞として「まるでSLAYER」という言葉を贈りたくなる⑥⑪はスラッシュ魂が燃え上がらずにはいられない名曲。当時流行のキーワード「ラフ&スポンテニアス」を言い訳にせず、しっかりと作り込んだ肉厚なプロダクションも、収録曲が放つ剣呑な殺気と迫力を効果的に倍加してくれています。(プロデュースはコリン・リチャードソンが担当)
このアルバムが発表された'96年頃といえば、モダン・ヘヴィネス・ブームの直撃でスラッシュ・シーンはスピードダウン著しく、またパンク・シーンはもっとポップでメロディアスな音が主流なりつつあった時期。本作はその只中にあって「るせぇ!そんなん知るかボケェ!」とばかりに、両者に中指突き立てて我が道を貫き通す、まさしくパンクな姿勢と、スラッシーなアグレッション/スピード感が全編に亘って横溢した力作に仕上がっています。

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