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Rock, Stock, & Barrel / ANGELICA
火薬バカ一代 ★★ (2017-10-18 00:02:24)
ロブ・ロックがゲストで歌っていた1st『ANGELICA』(’89年)や、ドラム・マシーンを使用していた2nd『WALKIN’ IN FAITH』(’90年)の頃は、バンドとしての実体もライブ経験もない、デニス・キャメロン(G)とロバート・バレン(B)のプロジェクト状態だったカナダ出身のANGELICAが、漸く正式メンバーを揃えて日本デビューを飾った’91年発表の3rdアルバム。ちなみにバンド名、所属レーベル(INTENSE)、人脈、演ってる音楽性からもお察しの通りのクリスチャン・メタル・バンド。国内盤の解説でそのことに触れられていないのは、余計な色(先入観)が付くのを避けるための配慮でしょうかね。
のっけの①から存在を主張してくるBといい、“熊蜂の飛行”のカヴァー⑧を始め、全編に亘ってメロディック且つキレのある演奏を炸裂させまくりのGといい、ほんのりテクニック志向を伺わせつつも、基本的な音楽性は柔和な美旋律と分厚いハーモニー重視の、いかにもクリスチャン・メタル/カナディアンHRバンドらしいポップなメロハー・サウンド。
Voの線の細さと相俟って、全体的にメロディにパンチが効いていないというか、例えば同ジャンルの先輩バンド勢に比べると、サビメロの踏み込みの浅さが楽曲の印象を弱めてしまっている感が無きにしも非ずなのですが、この大らかにふわ~っと流れていく感じが大陸産ロックの魅力の一端と言えなくもない…かもしれません。取り敢えず、そよ風の如く吹き抜けていく爽やかな②、軽快にしてキャッチーな疾走ナンバー④辺りには、メロディ愛好家のツボを突いて来るフックが備っていて大好きな楽曲であります。
クリスチャン・メタル好きなら聴いて損のないクオリティは備わっている1枚かと。

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