この曲を聴け! 

Stairway to Heaven / Led Zeppelin Ⅳ / LED ZEPPELIN
はっちゃん ★★★ (2017-08-13 02:31:37)
この曲を前にして、何を語れというのか。美辞麗句を羅列しても「本物の名曲」の前では陳腐なフレーズに成り下がる。

高校生のころ、昼休みに放送部に頼み込んでこの曲をかけてもらったことがある。モチロン自前のLPレコード持参でだ。
校内に響き渡る「Stairway to Heaven」。仲の良いグループで談笑しながらお弁当を食べる女子、ギャーギャーとバカ騒ぎする男子。
ザワザワした教室が徐々に静かになりだしたのは、あのイントロからロバートの歌に入る前あたりからだった。
その時教室にいた生徒全員とは言わないが明らかに耳を傾けているのは明白で、ギターソロから大団円に向かい進行するに至っては誰も
言葉を発していない。楽曲の持つパワーに圧倒されているのだ。

曲が終わりみんなが茫然自失となっていると、吹奏楽部のK子が目をキラッキラに輝かせて「はっちゃん、今の誰の何ていう曲??」と
ものすごいイキオイで訊いてきた。K子はブラスバンドでは飽き足らず、町内のオーケストラにも参加し尚且つ園児のころからピアノを
習い続けている音楽女子だ。僕とは割と仲が良かったがK子がクラシックは聴いてもロックを聴くなんて話は聞いたことがない。
その彼女がZEPに興味深々になっているのだ。放送室から戻ってきたレコードをK子に貸したのは言うまでもない。

時代は80年代半ば。当時の高校生が聴く音楽といえば男子はおニャン子クラブや聖子、明菜で、女子はチェッカーズや吉川晃司なんかが
クラスの主流を占めていた。ロックを聴く人間は段々増えつつあったがHM/HRを聴く奴は完全にマイノリティーだった。
ましてや70年代の音楽を聴いている者は完全に変態扱いされたものだ。

だが「Stairway to Heaven」は響いた。マスコミがデッチあげた”新人類”世代の高校生に突き刺さったのだ。
この印象深いエピソードで『音楽には得体のしれない力が宿っている』という事を確信した。

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